1954-12-17 第21回国会 衆議院 厚生委員会 第1号
戦争中イギリスのビヴアリツジ案が出ましたときも非常に興味を持つてながめておつたのでありますが、その後も日本のいろいろの方々からこの問題の全貌を伺つておつたのであります。今度厚生省に参りましてから実際上の事務に当ることになりましたので、実際上のありさまを今いろいろと話を聞いておるところであります。それで私のあらましの考え方を一通り申し上げておきたいと思います。
戦争中イギリスのビヴアリツジ案が出ましたときも非常に興味を持つてながめておつたのでありますが、その後も日本のいろいろの方々からこの問題の全貌を伺つておつたのであります。今度厚生省に参りましてから実際上の事務に当ることになりましたので、実際上のありさまを今いろいろと話を聞いておるところであります。それで私のあらましの考え方を一通り申し上げておきたいと思います。
英国では、御承知のように、うらやましい限りの社会保障制度がしかれておりますが、この制度の基礎となりましたビヴアリツジ案は、第二次世界大戰の最中において立案されたのでありまして、これをまた取上げて検討いたしましたのは、実にチヤーチル保守党内閣であつたのであります。さすがは英国と、尊敬の念を新たにしなければなりません。日本の大蔵大臣や自由党内閣とは大分わけが違うのであります。
かような政策が必要であるのでありまして、かような考え方に立つて、われわれは完全雇用政策を強く主張しておるわけでありまして、ビヴアリツジ案に見られるような政策が、現下の日本に必要なゆえんもここにあろうと思います。
第二の保障の種目、その中の第一のビヴアリツジ案の給付の計画、これは○印を付けて支給の実態を現わしております。即ち最低生活の維持を保障するための普遍的事故を現わすための保險給付を、國民層の特性と必要性とに從つて分類されるという構想からこの分類をして表にいたしました。これは朗読は差控えますが御覺の通りであります。
これはイギリスのビヴアリツジ案にも、この骨子とするところにもちろん完全雇傭の思想もあり、あるいは國家的保險施設というようなことを重點にした思想が現われておるのですが、一面においてはやはり、能力があるにかかわらず勤勞の意欲のない者、あるいは素行不良な者に對しては給付をしないという考え方が、相當強くにじみ出ておると思う。で、この判定が失業保險制度の圓滑なる實施にあたつては一番重要な問題である。